北九州・遠賀・中間のいちばん身近な法律事務所を目指して

お知らせ&コラム

2026.06.15
少年事件手続の一般的な流れ(犯罪少年の場合)

1 少年事件とは
 満20歳未満の少年による犯罪(非行)に関しては、成人の刑事事件とは異なり、少年法(以下「法」といいます。)が適用されます。2021年の法改正により、18歳以上の少年は「特定少年」(法62条)として、17歳以下と異なる取扱いが定められていますが、少年法の趣旨が及ぶことに変わりありません。
 なお、特定少年に対する異なる取扱いは、保護処分の決定方法(法64条)や逆送(刑事処分の選択をすること)の事件類型の拡大(法62条2項)、虞犯(犯罪はしていないものの、将来的に犯罪をしたり、刑罰法令に触れる行為をしたりするおそれのあること)の適用除外などが挙げられます。

2 手続の一般的な流れ(犯罪少年の場合)
 一般的には、以下のような流れとなります。
 ただし、以下は一般的な例であり、逮捕や勾留(勾留に代わる観護措置)をされずに在宅のまま家庭裁判所へ送致されることもあり、観護措置がとられることなく調査へ移行することなどもあります。

 ①逮捕
  ↓48時間以内
 ②検察官送致
  ↓24時間以内
 ③勾留に代わる観護措置   ③勾留
  ↓最大10日        ↓最大10日(勾留延長がされれば+最大10日)
 ④家庭裁判所送致(記録を送って判断の主体を家庭裁判所に任せること)
  ↓24時間以内     
 ⑤観護措置      
  ↓最大4週間(例外的に8週間)
 ⑥調 査     
  ↓        ↓
 ⑦審判     ⑦審判不開始(非行なしなど)
  ↓
 ⑧不処分や保護処分(保護観察や少年院)など

3 観護措置(上記⑤)とは
 観護措置とは、主に家庭裁判所に送致された少年の審判を円滑に進めたり、少年の処分を適切に決めるための心理検査や面接を行ったりすることなどが必要な場合に、少年を少年鑑別所に送致し、一定期間そこに収容することをいいます。
 少年鑑別所では、家庭裁判所の行う調査、審判やその後の保護処分の執行に役立てるため、医学、心理学、教育学、社会学等の専門的知識に基づいて、少年の資質の鑑別を行います。具体的には、知能検査、身体検査、心理検査、そのほか面接を通しての調査、運動、作文、貼り絵、家族画を書かせるなど多方面から少年を鑑別し、最終的にはそれらは「鑑別結果通知書」という書面にまとめられます。これには、少年に対する処遇意見も書かれます。

4 審判での処遇等(上記⑧)とは
 主な処遇は下記のとおりです。

 不処分:審判の結果、「保護処分に付することができないとき」または「保護処分に付する必要がないと認められるとき」になされるものです(法23条2項)。非行の認定ができないときや審判の過程で要保護性が解消されたり、すでに別件で継続的な保護的措置がとられている場合などがこれに当たります。

 保護処分:「保護観察」とは、保護観察所の行う指導監督などによる社会内処遇によって少年の改善構成を図ろうとするものをいい、「少年院送致」とは、非行性の矯正を行うことを目的とする収容施設である少年院に一定期間収容する処分をいいます。なお、保護観察処分に付すには要保護性が大きいものの、少年院送致決定を付さずとも更生の可能性があるといった場合の中間処分として、相当期間少年を調査官の観察に付する「試験観察」というものもあり、結果が良好であれば保護観察や不処分が、不良であれば少年院送致が終局処分としてなされることになります。他にも、「児童自立支援施設送致」や「児童養護施設送致」があります。

 検察官送致:少年を成人の刑事手続きによって処分すべく、家庭裁判所が決定をもって、検察官に事件を送致する処分(一般に「逆送」)をいいます。

 知事又は児童相談所長送致:要保護性を調査した結果、「児童福祉法の規定による措置を相当と認めるとき」に、知事や児童相談所長に送致し、児童福祉機関の措置に委ねる処分をいいます。