北九州・遠賀・中間のいちばん身近な法律事務所を目指して

お知らせ&コラム

2026.08.15
物損その2(評価損について)

1 評価損とは
 交通事故により車両が損傷を受けた場合、基本的には修理費用が賠償されることで、事故車両は事故前の状態に復すると理解されてます。
 しかし、修理をしても、機能や外観に欠陥が残存したり、事故歴があることにより隠れた欠陥の疑いや縁起が悪い等の理由で、中古車市場における価格(いわゆる時価)が低下することがあります。
 このような「事故当時の車両価格と修理後の車両価格との差額」を「評価損」といいます。評価損はさらに
①修理によっても、外観や機能に欠陥が残存する場合(技術上の評価損と、
②事故歴により商品価値の下落が見込まれる場合(取引上の評価損
に分類されます。

2 技術上の評価損について
 ①技術上の評価損については賠償すべきとする見解でおよそ一致が得られていると思われます。
 ただし、外観上の評価損は、車両がもっている機能は回復したものの、美観が要求される用途に用いられる車種(たとえば、営業車や自家用車)について、外板や塗装面に補修跡が残るために交換価値が低下する場合をいいますが、機能面が重視される運搬用車両などでは認められにくい傾向があります。

3 取引上の評価損
 「欠陥が残存していない場合でも、中古車市場において価格が低下した場合の評価損」を指し、このような損害を否定する見解も一部ありますが、実務上、一般的には取引上の評価損を肯定した上で、具体的事情に応じて、その有無や金額を判断する傾向にあります。

4 評価損を請求するには
 実務上、事故車両の車種、初度登録からの期間や走行距離、損傷の部位・程度(車体の骨格に当たる部位には修復歴の表示義務あり。)、修理の程度、事故当時の同型車の時価などの諸般の事情を総合考慮して判断される傾向にあります。
 評価損の請求をしたいのであれば、立証方法として「事故減価額証明書」(一般社団法人日本自動車査定協会発行)や、より詳細に計算方法が記載された「カーチェックシート」などの利用が考えられますが、裁判例における認定方法においては、修理費を基準として、その何パーセントかを評価損として認める方式(修理費基準方式)をとられることも多いようです。
 裁判例の傾向としては、
外国車又は国産人気車種で、初年度登録から5年(走行距離で6万キロメートル程度)
一般国産車では、3年(走行距離で4万キロメートル程度)
を超えると、評価損が認められにくい傾向がある、との分析があるようです。
 ご参考にされても良いでしょう。